67歳の男性。Lewy小体型認知症。退職しているにもかかわらず時々会社に行こうとするが、説明をすると納得する。「子供が部屋の中にいる」と訴えることが増えた。日常の動作は緩慢となり、歩行も困難になったため入院した。
この患者に対する作業療法の際に適切なのはどれか。
1→Lewy小体型認知症は、幻視を合併しやすいが、幻覚の訴えを正すのは不適切である。患者が「子供が部屋の中にいる」というような幻覚症状を訴えることがあったら、「子供が部屋から出るまで向こうの部屋に行って過ごしましょう」と不安を取り除くような対応をするのがよい。
2→Lewy小体型認知症の特徴として、パーキンソニズムや睡眠障害を合併しやすい。身体の活動量を減らすと、筋力低下が著しくなり、歩行能力が低下するため不適切である。また良い睡眠をとるためにも、活動量は減らさないようにする。
3→Lewy小体型認知症は、パーキンソニズムを合併しやすい。パーキンソニズムに対応した動作・運動を処方し、リズムのある反復動作を積極的に行うのが望ましい。
4→Lewy小体型認知症は、パーキンソニズムを合併するため転倒しやすい。転倒のリスクを本人に伝え、転倒を予防する。転倒しやすいことを本人に伝えることは正しい。
5→Lewy小体型認知症は、パーキンソニズムを合併するため転倒しやすい。照明を暗くすることは、転倒のリスクを高める。また、睡眠障害を合併するため、夜間には、照明を暗くして良い睡眠を促し、日中は日光を浴び、睡眠リズムを整える。