25歳の女性。脊髄完全損傷(第5胸髄節まで機能残存)。車椅子(寸法:全長85cm、全幅55 cm、前座高42 cm)での自立生活に向けて図のように住宅改修を行った。
考えられる問題点はどれか。
1→車椅子がその場で360度方向転換するのに必要な有効幅は150cmである。エレベーター内の直径が150cmあるため、エレベーター内で方向転換することが可能なため、バックで出る必要はない。
2→スロープの勾配は、一般的には1/12以下が良いとされている。図は、1/12の勾配であるため、症例は玄関スロープを上ることが可能である。また、障害の状態によっても異なるが、C6レベルの頸髄損傷患者の場合等は1/15~1/20が使いやすい。
3→選択肢1で述べたように、車いすがその場で360度方向転換するのに必要な有効幅は150cmである。トイレ内は120×150と有効幅を満たしていない。そのため、トイレに入った後で扉を閉めることはできないため、問題点となる。本症例の場合は、動線の扉は、開き戸ではなく引き戸が望ましい。
4→洗体台は45cmと椅子の前座高42cmとあっっているため、移乗することが出来る。また、移乗時は同等の高さもしくは、移る場所が低い方が移乗しやすい。
5→車椅子が90度方向転換するのに必要な有効幅は90cmである。台所シンクと後ろのカウンターとの幅は120cmあるため、シンクと対面することは可能である。