第53回作業療法士国家試験 午後10

1→BFOは、C5残存脊髄損傷、筋萎縮性側索硬化症等により上肢筋力に低下がみられる場合、食事等の日常生活動作の自立を目的として使用する装具のことである。本症例は、アテトーゼ型脳性麻痺であり、不適切である。

2→本症例は、食事訓練場面では座位保持装置に座って肘当てと同じ高さのテーブルで、スプーンでの自力摂取を試みているとある。テーブルを補高し、肘の高さより高くすることで、テーブルと体幹や前腕がテーブルに密着し、安定した食事動作を行うことができると考えられる。作業療法士の対応として適切である。

3→本症例は、アテトーゼ型脳性麻痺であり、頭部は右を向きやすく、上肢はATNR様の姿勢をとるとある。皿をテーブルの右側に置くと、ATNR(非対称性緊張性頸反射)が助長され、筋緊張が亢進する可能性があることから、不適切である。食事訓練時は、皿はテーブルの真ん中に置き、頭部が正中位になるようにすることが対応として正しい。

4→本症例は、利き手は右であるが物を持続的に把持する能力は低いとある。把持力が低下している場合は、柄が太いものの方が把持しやすいことから、細いものは不適切である。

5→座席保持装置を床から60度の角度でティルティングすると、食事動作がしにくくなることから、不適切である。