1→毎日異なる課題を与えることは、記憶障害を認める本症例には不適切である。同じ課題を与えることがアプローチとして適切である。
2→本症例は記憶障害を認め、新しい物事を覚えることが困難である。メモやシステム手帳、スマートフォンなどの外的補助手段である道具を用いて記憶を補う方法は、記憶障害のアプローチとして適切である。道具自体を思い出す必要はあるため、周囲と協力しながら行うことが必要である。
3→試行錯誤とは「新しい物事や困難な課題を色々と試して(失敗を重ねて)解決していくこと」という意味である。試行錯誤が必要な課題を記憶障害を認める本症例に行うことは不適切である。試行錯誤が必要ない単純な課題を与えることがアプローチとして適切である。
4→複数の学習課題を同時に行うことは、記憶力、注意力が必要な難易度が高いアプローチである。記憶障害を認める本症例に行うことは不適切である。
5→本症例は、新しい物事を覚えることが困難な前向性健忘の症状がみられる。本症例にとって、本人のペースで日課を柔軟に変更することは困難であるため、アプローチとして不適切である。日課は、外的補助手段などを用いて管理を促していくことがアプローチとして適切である。