57歳の女性。2か月前から夜間に右手の痛みで目が覚めることが続いている。3週前から右の母指示指と中指とにしびれが生じ、近くの整形外科を受診したところ手根管症候群と診断された。保存療法でスプリントを装着することになった。
この患者に適したスプリントはどれか。
1→図は手関節を固定している装具である。手根管症候群では、手関節の安静保持が重要なため、この設問の患者に適したスプリントと言えるため、正しい。
2→図は手関節を軽度背屈位、母指対立位(機能的肢位)に保持することで、変形拘縮を予防するスプリントである。適応は脳血管障害患者である。手指は固定せず、手関節を背屈位に保つ橈骨神経麻痺患者のスプリントもあるが、症例の手根管症候群は、正中神経麻痺となるため、このスプリントは不適切である。
3→図は母指(CM関節からIP関節まで)の関節を固定し、母指の内転予防とCM関節の安静保護を目的として装着するプリントである。適応は、母指CM関節症などである。手関節の固定はしていないため、手根管症候群の本症例には不適切である。
4→選択肢3と同様で母指固定装具である。手関節の固定はしていないため、手根管症候群の本症例には不適切である。
5→図のスプリントは、肘から手関節にかけて安静保護目的で使用される前腕部骨折の手術後に使用される。本症例は肘まで固定する必要はないため、不適切である。