1→退行を許容するとさらに歯止めが利かなくなり症状が悪化する。境界性パーソナリティ障害の患者は、多少退行していることが多く、特定の人物に対して強い依存心を抱く傾向があり、またそれが裏切られたと感じたときには強い怒りをきたす。このため、患者とは一定の距離を保ち、過度の依存を形成しないよう注意が必要である。治療の枠組みをしっかり作って、過度に依存的な関係を作らないことが重要である。
2→集団作業への参加を促すのは不適切である。集団内で不適切な行動が露呈する可能性が高いので、初期段階では個別での作業療法が基本となる。
3→柔軟な枠組みを提供するのは不適切である。過度に依存的な関係を作らないことと、過度の欲求に対しては応じないことが必要である。治療の枠組みをしっかり作って対応することが必要である。
4→衝動性は適応的に発散させ、衝動の統制を行うことができるように促すのは正しい。
5→主観的な苦悩を共感的に理解するのは正しい。患者の言葉を傾聴するのは重要であるが、本人の言い分に過剰に肩入れしすぎて、過度の依存心をひきださないように注意が必要である。