1→役割を付与することは、社会復帰の段階(回復後期)で行うべきである。現段階では刺激が強いので適切ではない。
2→対人交流を促すのは、対人刺激は最小限に設定すべきである。現段階では、刺激が強いので適切ではない。
3→刺激の少ない定期的な作業療法の実施を心がけ、まずは生活リズムの回復を図ることは、導入時の対応として適切である。急性期を脱したもののまだ外的刺激への敏感さが残る統合失調症患者へは、外的刺激が最小限になるような対応を心がけるべきである。
4→複数の作業療法士で対応するのは適切ではない。現段階では刺激が強く、作業療法士は複数でない方がよい。対人刺激は最小限がよい。
5→退行的行動に対しては関与を控えるのは適切ではない。退行的行動は、防衛機制のひとつであり、自我を一時的または長期的に、発達段階の初期に戻してしまう事である。退行的行動に対しては、「どうしてそのような行動をするのか尋ねる」、「必要に応じてそのような行動をしないよう指示する」などして関与を図るのがよい。どの時期の作業療法においても配慮した関与が必要である。