17歳の女子。高校2年生。高校入学時、身長158 cm、体重55 kgであったが、同級生に「太っている」と言われ、食事を制限して半年間に12 kgやせた。高校1年の秋ごろから月経が不順になり、半年前から無月経となった。このため無月経と体重減少とを主訴に入院治療が開始されたが各種検査を受けることに抵抗感が強い。
母親は「もともと太ってなどいなかったと説得して欲しい」と希望する。
作業療法士の患者に対する治療的態度として適切なのはどれか。2つ選べ。
1→摂食障害の発症には心理的背景や原因も関わっているので、心理的な課題は避けて通れない。心理的な問題は、侵襲的にならないように留意しながら触れていく。心理的な問題には触れないのは適切ではない。
2→食事をとらないことは生命の危機にもつながるため、食事への介入は必要である。本症例の場合、高カロリー輸液も考慮したほうがよい。食事については、本人の判断に任せるのは適切ではない。
3→摂食障害の患者は、自身の不健康の状態を重要視しない場合が多く、受容的態度で、健康状態についての本人の考え方を尋ねるのは適切である。本人が受け入れやすい内容の治療課題から徐々に取り組んでいくのがよい。そして心理的な問題にも触れていく。頭ごなしの否定や侵襲的な介入は行わない。
4→本症例は入院したばかりでボディイメージのゆがみが生じている。現段階で、母親の希望を受け入れて、元の体重でも肥満でなかったことを説明しても納得しない可能性が高い。
5→本症例は、無月経と体重減少がみられている。全身の健康状態に懸念があることを伝え、臨床検査の必要性を理解してもらうのが良い。全身的な健康状態を確認する必要性を伝え、臨床検査を受けることを勧めるのは適切である。