1→片手で髪を洗う。洗髪は息切れを呈しやすい動作であるため、片側ずつ洗うようにするのがよい。なぜなら、両上肢を挙上して行ったり、前かがみで行うことで胸腹部が圧迫されるためである。入浴指導は、頭を左右に傾けて、片側ずつ洗うように指導する。
2→「首まで湯につかる」のではなく、半身浴がよい。理由は、水圧で胸部が圧迫され呼吸運動が妨げられるためである。また、体温の上昇で酸素飽和度が低下するので、息切れしやすくなってしまうためである。
3→短いタオルで背中を洗うのは適切ではない。長いタオルで洗う方が、上肢をあまり動かさなくても洗うことができる。動きが少なくなり呼吸苦がなくなる。
4→吸気に合わせて動作を行うのは適切ではない。吸気の妨げにならないように、呼気の時に動作を行うように指導する。
5→長座位で膝を立てて足を洗うのは適切ではない。胸腹部の圧迫する姿勢をとるためである。長柄ブラシ等を使用することで、前かがみ姿勢を軽減させる指導を行う。